
藍韻睡蓮
深海のような青のなか、睡蓮は銀灰の花弁と金白の蕊をほのかに灯し、雨筋のような垂直の水痕が、静けさに満ちた夜の余韻を引き出す。
重ねた彩墨のにじみと点描が冷ややかな青の地をつくり、花弁は繊細な重ね塗りで粉質の肌理を帯び、花芯には黄と青緑の微かな光が宿る。画面上部の花群は、より開けた下方の空間と対をなし、上から下へと落ちる水筋と微細な白い粒子は、雨にも、水面に引き伸ばされた波紋にも見える。そのあいだを横切る濃い青の横帯は水中の影のように滑り、前景の花をいっそう漂わせ、静謐さを強める。左下の款記と朱印が温かな一点となり、冷色の律動を落ち着かせる。
- カテゴリー
- 花鳥画
- 制作年
- 制作年 未確認
制作の過程

1. 下描き

2. 墨入れ
展示風景
