
宮女刺繍図(白描)
清冽な白描で背面の宮女を描き、長袖と帯がたおやかに流れ、腕を上げて刺繍に取りかかる直前の静かな優雅さをとどめる。
単色の白描で、温かな灰色の紙上を紫がかった青の線が走り、筆圧の抑揚によって衣の襞が幾重にも立ち上がる。人物は背面の三分の二ほどの角度で示され、両腕を水平に伸ばす。腰の結びと垂れる飾り紐がゆるやかな律動をつくり、裾は長い弧を描いて落ちる。広い余白が場面を包み、右側の縦書き「宮女刺繍図」の題記が主題を指し示し、抑えた所作と空白から始業前の静けさを読ませる。まとめられた髷と簪飾りは細かな短線で示され、衣の長い線と呼応して、柔らかくも端正な気配を醸す。
- カテゴリー
- 人物・デッサン
- 制作年
- 制作年 未確認
制作の過程

1. 下描き

2. 彩色仕上げ
展示風景
