
荷韻
工筆の細線で緻密に描かれた緋色の蓮が、青緑の潑彩が飛沫する気韻の中へと身を傾け、清新で躍動する「荷韻」を結ぶ。
花弁は密な並行線で積み重ねられ、紅・橙・紫が交錯し、蕊は白の点が露のように置かれる。墨緑の花茎はすっと立ち、細かな黄の粒が連なり、精緻な線描と点染が呼応する。二輪の開花と一つの蕾が斜めに右の余白へと伸び、背後では大きく潑かれた青翠が水面の浮草のように広がり、深い藍や墨のにじみと溶け合って湿りを帯びた奥行きをつくる。厳密な描写と奔放な潑彩の対置により、花姿には鼓動のような律動が生まれ、微風に揺れる気配が澄んだ生気とともに立ち上がる。
- カテゴリー
- 花鳥画
- 制作年
- 制作年 未確認
制作の過程

1. 下描き

2. 白描

3. 設色
展示風景
